基礎からおさらい!ダイビングの基本スキル
ダイビングを楽しむために重要なことは何か。
それは「安全」ということ。
安全に潜れるからこそ水中世界を安心して楽しめます。
今日はダイビングを安全に楽しむための基本スキルのおさらいを小林がお送りします。
ダイビングの基本スキル
ライセンス講習の際にプールや海洋実習で必ず習う基本の必須スキル。
基本的なことばかりで難しいことはないけれど、ひとつひとつを細かく…となるともう忘れちゃったという方の多いのではないでしょうか。
簡単なことばかりですが、この基本スキルができないと大事故にもなりかねない!
しっかりおさらいしましょう!
撮影にご協力頂いたのは、レーブの上級ダイバーのあみーごです!
ではあみーご、よろしくお願い致します。
ダイビングスキル:マスククリア
マスククリアとは?
マスクの中に入ってきた水を、鼻息を使ってマスクの外へ出すスキル。
マスクが曇ってしまったときには、わざとマスクの中へ水を入れて曇りを取る際にも使えます。
◆マスククリアの方法◆
・マスクの上部から水を入れる
・マスクの上部の硬いフレーム部分をしっかり押さえ少し上を向いた状態で鼻から息を出して水を抜く。
※ポイント※
少し上を向くことでノーズポケットの水もしっかり抜くことができます。
鼻から息を出すときは「ん~」とハミングするように声を出すと鼻呼吸しやすいですよ!
・ばっちりマスククリアできましたね✨
ダイビングスキル:レギュレーターリカバリー
レギュレータリカバリーとは?
まず、レギュレーターとはダイビング中に口にくわえて呼吸をするためのメインの呼吸器です。
予備の呼吸器のことをオクトパスといいます。
レギュレーターはダイビング中、口にくわえているだけなので、岩やバディの手や足にひっかかり口から外れてしまうことがあります。
そんなときに、水中でレギュレーターを回収し再度呼吸源を確保することをレギュレーターリカバリーといいます。
◆レギュレーターリカバリーの方法◆
●右腕を大きく回す方法
レギュレーターは常にダイバーの右側にあります。
それを利用し右腕を大きく回し口から外れたレギュレーターを回収する方法です。
・右肩をしっかり下げる
・右腕を体の右側面に沿わせながら、太もも→お尻→タンクの順に触りながら大きく回す。
最後にクロールをするように右腕を回転させると、右腕に呼吸器のホースが引っ掛かります。
・セカンドステージを探しますが、マスクの視野は狭いの確実に回収するために、
左手で右腕を手首から肩に向かってなぞって右腕に引っ掛かったホースを回収します。
・レギュレーターを咥えなおし、水を飲まないようにまずは息を吐いてから呼吸を再開する。
※吐く息がない場合はパージボタンを押してから呼吸を再開しましょう。(レギュレータークリア)
●ホースの根本から探す方法
呼吸器(セカンドステージ)のホースは、ファーストステージというタンクと接続しているところから伸びています。
ホースの接続部の根本から回収する方法です。
・タンクを持ち上げます。
※左手でタンクの底を上げたり、BCDの肩の部分を持ち上げる
・後頭部部分に右手を伸ばし、ファーストステージの右側に伸びるホースを探しだし、
ホース伝いに呼吸器を回収し加えなおしてレギュレータークリアをし、講習を再開。
フィンキック
◆フラッターキック◆
俗にいう「バタ足」のことで、水中・水面どちらの移動でも使用可能なキック方法です。
足の甲で水を押すイメージでゆっくりと足を振り下ろし、振り上げるときはつま先に力を入れてます。
フィンの先までが足のイメージで、足を鞭のようにしならせてゆっくり大きく上下に動かします。
膝ではなくお腹に力を入れるのがポイント!
推進力を得たいときはフラッターキックがベストです。
◆あおり足◆
平泳ぎのようなキックでがに股気味に足を引き寄せ、左右のカカトをつける様に足を伸ばして、後ろへ押し出す様にキックします。
このフィンワークは多くのガイドやインストラクター、経験豊富でカメラをよく使用するダイバーがよく使っています。
あおり足の方がフラッターキックに比べ楽に、安定した姿勢の状態でダイビングを楽しむ事ができるからです。
あおり足は両足をほぼ水平移動させてキックを行いますので体のバランスが崩れにくく、サンゴなどを傷つけたり砂を巻き上げる事も軽減させてくれます。
ゆっくりと泳ぎたいときや撮影をしながらのダイビングに適しているフィンキックと言えます。
耳抜き
潜降するにつれて水圧が増加し、周囲の圧力と体内の圧力に差が生じ、耳が痛くなります。
そこで圧力のバランスをとってこれを解消する方法を「耳抜き」といいます。
耳抜きには複数の方法があり、どの方法がやりやすいかは個人差があります。
◆バルサルバ法◆
耳抜きの中で最も一般的なのが「バルサルバ法」です。
鼻をつまんで鼻に圧力をかけて息む方法で、ほとんどのダイビング講習で習う耳抜きです。
・口を閉じた状態で鼻をつまむ
・鼻をかむようなイメージで、やさしくかつしっかりと息む
グローブをした手でマスクの上から鼻をつまみにくい方は、両手の人差し指で鼻を押さえたり、
マスクのノーズポケットの下から鼻の穴を押さえるようにして鼻から息が漏れないようにしましょう。
◆トインビー法◆
耳にやさしい方法なのがトインビー法です。
トインビー法は。鼻をつまんだ状態で唾を飲み込むだけです。
手順はシンプルですが、水中でのレギュレーターを咥えた状態で唾を飲み込むのはなかなか難しいです。
ハンドシグナル
しゃべることができない水中では手を使ってバディや仲間に意思を伝えます。
インストラクターやガイドもいろんな指示をハンドシグナルで行います。
きちんと覚えておかないと自分の伝えたいことや、相手が伝えたいことも理解できないので注意です。
安全にダイビングを楽しむために、覚えておきましょう!
◆OK!またはOK?◆
バディとの確認の際によく使うハンドシグナルです。
インストラクターやガイドがこのサインをするときは「OK?」という確認の意味がありますので
問題なければ「OK!」と同じサインを返します。
問題がある場合は状況に応じたハンドシグナルを返しましょう。
◆異常あり◆
何か問題がある場合やアクシデントがある場合に使うハンドシグナルです。
手のひらを下に向け、パーの状態で中指を軸にパタパタと動かします。
このハンドシグナルをした後に、アクシデントの内容を伝えるハンドシグナルをします。
例えば、耳抜きができない場合はこのサインの後に耳を指す。という感じです。
◆エアが少なく息苦しい◆
拳をにぎり、胸の前に持ってくると、エアが少なく息苦しいというサインになります。
◆潜降/浮上◆
親指を立てて下に向けると、「潜降」します。
親指を立てて上に向けると、「浮上」します。
という意味になります。
◆タンクの残圧はいくつですか?◆
ゲージを指さしたり、手のひらを指さしたりするサインは「タンクの残圧確認」のサインです。
このサインをインストラクターやガイド・バディから出された場合は、
自分の残圧を確認して、数字を伝えます。
◆数字◆
タンクの残圧や時間を伝えるときに使います。
1~5に関しては陸上と同じです。
6~9に関しては、手を横にして両手で伝えます。
ゼロはグーです。
◆寒い◆
両腕を胸の前でクロスして、二の腕をさするように動かすと「寒い」という意味のサインになります。
水中で体が冷え、寒くなってくるとダイビングどころではなくなります。
バディに状況を伝え、対策を講じましょう。
◆わからない◆
水中でインストラクターやガイドから出されたハンドシグナルがわからない場合は両手を上に向けて
お手上げみたいなサインを出しましょう。
ほとんどのインストラクターやガイドは水中で字が書けるボートを持っているはずです。
わからないままでのダイビングは危険です。
他にもハンドシグナルは多数ありますので、必ずダイビング前に行うブリーフィングで確認をしておきましょう!
まとめ
ダイビングの基本スキルについていかがでしたでしょうか。
初級ライセンスの講習時も行う基本スキル。
起こりえるトラブルに対する基本的な対処法となります。
覚えておくことで、世界中どこの海でもより安全にダイビングを楽しむことができます!
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